副資材の寸法トラブルは、多くが不良品ではなく「測っているものが違う」ことに起因します。片方は裁断後の正味寸法、もう片方は折り返しを含む総寸法。片方はメジャーでmm単位、もう片方はノギスで0.02mmまで。片方は開梱直後、もう片方は2日なじませた後。その結果、同じロットが買い手には公差外、サプライヤーには合格となります。本ガイドでは器具の選定、測定時の状態、品目別の許容差レンジ、抜き取り判定、仕様書への記載方法を整理します。

1. 3つの食い違い:基準・器具・状態

この3点を先に揃えれば、寸法トラブルの大半は消えます。いずれも加工能力の問題ではなく、定義の問題であり、仕様書に明記できます。

  • 基準の違い:タグは外郭か印刷枠か。織りラベルは折り返しを含む全長か正味長か。穴は端から穴中心か、穴中心間か。明記がなければ双方が自社の慣例で測ります。
  • 器具の違い:メジャーは1mm、ノギスは0.02mmまで読めます。幅20mmのラベルをメジャーで測れば、それだけで1〜2mmの読み取り差が出ます。これで0.5mmの公差を判定すれば、結論は争いにしかなりません。
  • 状態の違い:紙系副資材は湿度で伸縮し、織物系は張力で伸びます。織り上がり直後のラベルは収縮が終わっておらず、出来たての袋はまだ温かい状態です。測定前のなじませと平衡は省略できません。

2. 器具の選び方:公差に見合う精度を

目安となる原則は、器具の最小目盛りが公差の5分の1より小さいことです。±1mmを判定するには0.2mmまで読める器具が必要で、±0.5mmの抜き加工寸法を判定するには0.1mm以内のノギスが必要です。下表に副資材の検収でよく使う器具と適用限界を示します。

器具適する測定最小目盛りの目安注意点
目盛り付きスチール定規タグの縦横、紙袋の外寸など100mm以上の辺0.5–1mm平らに当て、目線を垂直に。1mm以内の公差判定には不向き
メジャー長辺の概測、外箱や巻き長さ1mm(読み取りの個人差が大きい)張り具合で1〜3mm変わります。織物は規定張力が必要
ノギス織りラベルの寸法、穴径と穴位置、洗濯表示ラベルの幅、袋口とシール部0.02mm締め付け過ぎは禁物です。軟らかいテープは圧縮されます。穴位置は穴中心基準と双方で合意してください
定圧厚み計タグの紙厚、ラベルの厚み、包装フィルムの厚み0.01mm(測定圧の記載が必要)測定圧で結果が変わるため、圧力と測定子径を報告に明記します
目付サンプラーと天秤タグ・紙袋の紙の目付0.01g天秤と標準面積のサンプラー標準面積の型で抜かないと、換算した目付に比較性がありません
光源ボックスと分光測色計色判定とロット差の数値化(D65光源での目視と測色)色差の数値は光源と角度で変わります光源、観察角度、光沢成分の有無を必ず明記

3. 測定条件:いつ測るかは測り方と同じくらい重要

  • 温湿度の平衡:紙系副資材は恒温恒湿で数時間なじませてから測ります。高湿では紙が吸湿膨張し、長辺が0.3〜0.8mm大きくなることがあります。
  • 織物の戻り:織りラベルやテープは下機後に戻る時間が必要です。通常環境で24時間以上なじませてから測ると安定した寸法が得られます。
  • 張力と平坦さ:テープは0.5〜1kg程度の軽い張力で平置きし、引っ張らず、宙吊りにもしません。タグや紙袋は平置きし、手で持って曲げた状態で読まないようにします。
  • 洗濯前後の表示:1つの報告に洗濯前と洗濯後の寸法が併記される場合、各欄に状態と洗濯方法を明記しないと比較できません。

4. 品目別の測定項目と許容差の目安

下表は業界で一般的な検収レンジであり、規格値ではありません。自動貼り機用ラベルや自動紐通し用タグなど高精度が求められる場合は厳しくできますが、コストと納期は変わります。

品目必須の測定項目許容差の目安
タグ縦、横、対角(直角度の確認)、穴位置と穴径、紙厚、目付縦横±0.5–1mm、穴位置±0.5–1mm、紙厚と目付±5%
織りラベル正味長、正味幅、折り返し含む全長、折り位置、文字高と文字位置、厚み縦横±1–2mmまたは±3%の厳しい方、折り位置±1mm、印字位置±1mm、厚み±10%
洗濯表示ラベル正味長、正味幅、印刷エリア位置、記号の完全性、洗濯後寸法縦横±1.5–2mm、印刷エリア端±1mm、洗濯後寸法は双方で合意した洗濯条件で別途測定
包装袋(OPP/PE)袋幅、袋長、フィルム厚、シール幅、袋口の平坦さ、単重幅長±3–5mm、フィルム厚±10%、シール幅±1mm
エコ紙袋長、幅、高さ(または底マチ)、手提げ位置と穴間隔、紙の目付外寸±3mm、手提げ穴間隔±3mm、目付±5%

5. 抜き取り・判定・外れ品の扱い

寸法判定にはサンプル数と判定ルールが必要です。「10個抜いて8個合格」では意味を持ちません。一般的な方法はAQLの計数抜き取りで、ロットサイズからサンプル数を決め、合格判定個数を定め、各測定項目を個別の検査項目として集計します。

  • 重要寸法を優先:組立や外観に影響する寸法(穴位置、折り位置、印字位置、シール幅)は重要項目として公差を厳しくし、装飾的な寸法は緩めにします。
  • 外れ品の3分類:組立にも外観にも影響しない軽微な外れは特採(範囲と価格調整を書面化)、外観のみに影響する場合は手直しまたは選別、組立や法規に影響する場合は全数拒否と補充とします。
  • 保存見本と再測定:双方が承認済みの封入見本を1組ずつ保管し、承認日と版を記載します。紛争時は封入見本を基準に再測定し、必要なら第三者機関に送ります。

6. 仕様書に書く測定の約束事

以下の短い段落を見積り依頼メールや仕様書にそのまま入れるだけで、その後の往復の大半を省けます。

記載例:寸法は本仕様書の記載を基準とします。タグは外郭、織りラベルは正味寸法(折り返しを含まない)、折り位置と穴位置は端から中心までの距離で測定します。測定前に常温常湿で24時間なじませ、テープは0.5〜1kgの軽張力で平置き測定、紙の目付は標準面積サンプラーと天秤で換算、厚みは定圧厚み計で測定し報告に測定圧を記載します。公差は各項目の記載によりますが、記載のない項目は縦横±1mm、厚み±10%とします。抜き取りはAQL 2.5の計数抜き取りとし、穴位置・折り位置・印字位置・シール幅を重要項目とします。外れロットは軽微な特採、外観手直し、組立・法規関連の全数拒否の3段階で処理し、方法と費用は処理前に書面で確認します。

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検収する副資材リストと寸法項目をお送りください。基準・器具・状態・判定基準を含む測定方法と公差の確認表を作成し、サンプル段階で寸法の実測記録も併せて提出します。サンプルは3〜7日で発送します。

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