トルコの衣料ラベル規制の核心は一行に尽きます。消費者向けラベル情報はトルコ語でなければならず、規則は EU とほぼ同源です。トルコの「繊維・皮革製品の表示およびマーキングに関する規則」は EU 1007/2011 を範とし、繊維組成・洗濯表示・原産地・責任者情報が必須です。輸入時は TAREKS によるリスク抽検もあり、不適合は行政罰の対象になります。中国の副資材メーカーにとって、トルコは「EU の論理をトルコ語で書く」市場です。

本記事は、法規の枠組み、トルコ語の用語対照表、繊維組成と公差、洗濯表示記号、輸入検査と責任者情報、サンプル前チェックリストの6部構成で、トルコ向けラベルの自己点検表として使えます。

1. EU 1007/2011 と同源のトルコ表示規制

トルコは EU 加盟国ではありませんが、EU との関税同盟にあり、繊維・衣料の表示規則は長く EU と整合してきました。所管は貿易省(Ticaret Bakanlığı)です。次の4点を押さえれば全体像がつかめます。

  • 消費者情報はトルコ語:繊維組成、洗濯表示、サイズ、責任者情報など消費者向け情報はトルコ語が必須。外国語の併記は可能ですが代替はできません
  • 永久表示:組成と洗濯表示は商品に固着させます(縫い付けラベル)。タグや包装への印刷だけでは不十分です
  • 繊維と皮革の両方:規則は繊維製品と皮革製品の双方を対象とし、レザーパッチや革製タグも適用範囲です
  • 標準機関:トルコ標準協会(TSE)が標準体系を担います。衣料の TSE マークは原則として任意で、客先や公共調達の要求がある場合を除きます

2. 衣料ラベルで使うトルコ語用語対照表

中国語 トルコ語 記載場所
ラベル(総称) etiket 総称として
洗濯表示ラベル bakım talimatı etiketi / yıkama etiketi 永久ラベル。組成・洗濯表示・原産地・責任者を記載
織りラベル(メインラベル) dokuma etiket ブランド名とサイズ
タグ askı etiketi 価格・バーコード・ブランド情報
繊維組成 lif bileşimi 洗濯表示ラベルの中央、含有率の高い順
洗濯・手入れ方法 bakım talimatları 記号の横にトルコ語で記載
原産国 menşe 洗濯表示ラベルの末尾、例 menşe: Çin
製造者/輸入者 üretici / ithalatçı 責任者情報。輸入者はトルコ法人であること
サイズ beden メインラベルまたは洗濯表示ラベル。欧州サイズが一般的
洗濯記号 yıkama sembolleri 洗濯表示ラベルの記号欄
市場監督 piyasa gözetimi ve denetimi 貿易省が実施する抜き取り検査
用語は客先と合意した時点で仕様書に固定し、サンプルごとに自由に変えないこと。トルコの客先は用語に敏感で、特に bakım talimatları(洗濯表示)と menşe(原産地)の誤りはすぐ指摘されます。

3. 繊維組成:パーセント・公差・一括表示

繊維組成はトルコのラベル検査で最初に見られる項目です。EU と同様に重量パーセントの高い順に並べ、繊維名はトルコ語の標準名称を使います。「混紡」「その他」だけの記載は認められません。

  • 公差:表示値と実測値の製造公差は通常 ±3% で運用されます(起毛・混紡など特定の場合はより広い扱い)。それを超えると組成不一致とみなされます
  • 一括表示:含有率がごく低い繊維は、規則の条件を満たす場合に diğer lifler(その他の繊維)として一括表示できます。閾値と合計値は条文に従い、自己判断で簡略化しないこと
  • 装飾と芯地:装飾繊維・芯地・パイピングを組成から除外できるかは機能部品かどうかで決まります。判断がつかない場合は客先確認のうえ全部記載します
最も危険なのは「組成の三つ巴」です。生地メーカーの数値、タグの印刷、縫い付けた洗濯表示ラベルが食い違うケースで、検査では洗濯表示ラベルが基準となり、残り二つは不一致の証拠になります。出荷前の三点照合は後からの説明よりはるかに安く済みます。

4. 洗濯表示:記号+トルコ語表記

トルコは EU の洗濯表示記号体系(TS EN ISO 3758 系)を採用し、洗濯・漂白・乾燥・アイロン・専門処理の順序は固定です。記号のみの市場と異なり、記号の横にトルコ語の説明を添えるのが通例で、特に量販向けブランドで顕著です。

  • 温度と洗い方は生地の実際の性能と一致させること。30℃ と表示するなら縮む生地を使ってはいけません
  • 水洗い不可・ドライのみなどの記号は、洗濯試験や生地メーカーの推奨に根拠が必要です。高級感の演出で付けてはいけません
  • 記号は組み合わせで完結させます。綿にレザー装飾を組み合わせた服は素材ごとに表示し、1つの表示で全体をまかなおうとしないこと

5. 輸入時の検査と責任者情報

トルコへの繊維・衣料の輸入は貿易省のリスク管理システム(TAREKS)で評価され、品目によっては追加の監視・検査書類が求められます。ラベルは現物確認で最も目に付く項目であり、指摘が最も多い項目でもあります。

  • 責任者はトルコ法人:ラベルの輸入者名と住所はトルコ登記の企業である必要があります。輸出側が推測で記入せず、客先の書面確認を得てください
  • 違反の結果:不適合ラベルは行政罰、表示の是正義務、販売禁止につながります。市場監督は貿易省と県機関が実施します
  • 原産地での表示:工場で縫い付けて出荷するほうが、入港後の手直しより安価です。現地での貼り替え人件費と保管費はラベル本体より高くつきます

6. サンプル前の6項目チェックリスト

  • トルコ語を母語話者が校正し、繊維名が標準的なトルコ語表記になっているか
  • 組成の合計が100%か、公差の記載を書面で確認したか
  • 記号とトルコ語が一致し、温度と洗い方が生地性能に合っているか
  • 原産地表記(menşe)が通関書類と一致しているか
  • 輸入者がトルコ法人で、名称・住所を客先が書面確認したか
  • 洗濯表示ラベルの幅と文字サイズにトルコ語が収まるか(トルコ語は長く、はみ出しやすい)
本記事は輸出実務の観点でまとめています。トルコの表示規則と輸入監視の細則は随時改正されます。量産前に最新の規則と客先の輸入要件をご確認ください。

関連記事

トルコ向けのタグ、織りラベル、トルコ語の洗濯表示ラベルが必要ですか。素材組成、サイズ仕様、客先要件をお送りいただければ、3〜7日で実物サンプルをお送りし、トルコ語のレイアウト稿もご確認いただけます。

トルコ向けラベルの見積りを依頼 →