肩パッド、胸の芯地、衿芯といった構造副資材は、服がきちんと見えるかどうかを決めます。完成した服の中ではほとんど見えませんが、肩線の形、シルエットの持ち、着心地を直接左右します。誤った肩パッドを選ぶと、肩が硬い、腕が上げにくい、洗濯後にへたる・ずれるという形で現れます。

本ガイドは6部構成です。肩パッドの役割、5種類の構造比較、品種から逆算する厚みと形状、胸芯や衿芯などの関連部材、縫製と洗濯の要点、検収基準を扱い、最後に見積り依頼メールに貼れる仕様リストを掲載します。

1. 肩パッドの役割

肩パッドは3つの役割を同時に担います。肩の形を補正する(丸肩・なで肩・いかり肩の視覚的な調整)、アウターの構造を支える(生地がへたらず、しわにならない)、肩の荷重を分散する(厚地では特に重要で、縫い目が肩に食い込むのを防ぎます)。まず「肩線で何を表現するか」を決めます。力強いスクエア、自然な丸み、ほとんどパッドなしの自然な肩、いずれかです。

💡 ヒント:厚いパッドが高級というわけではありません。肩幅が狭い、または生地が薄い場合、厚いパッドは段差を生み、かえって安っぽく見えます。先に肩線を決め、次に厚みを選ぶ順序が重要です。

2. 5種類の肩パッド比較

種類構造風合い主な用途
フォームパッド高密度フォームの裁断硬め、形作りが強いスーツ、コート、ユニフォーム
ニードルパンチフェルトパッド複数層の繊維をニードルパンチで成形中程度、硬さを調整可能婦人スーツ、通勤アウター
複合パッド綿+フォーム+不織布の多層複合硬めで弾力があるオートクチュール、紳士服、礼服
生地巻きパッドフェルト芯を天竺・ニットで包む柔らかく肌ざわりが良いニットジャケット、カジュアル
薄型・取り外しパッド薄手わた或不織メッシュ非常に柔らかく、自然な肩に近いシャツ、ワンピース、子供服

3. 品種から厚みと形状を逆算する

  • 紳士スーツ:厚み8~12mm、アーチ型または延長型、肩線は硬めに。
  • 婦人スーツ/通勤ジャケット:6~10mm、丸みのある形で、柔らかさと形を保つ腰のバランスを取ります。
  • コート/トレンチ:10~14mm、幅広型で、厚地を支えます。
  • ニット/セーター:3~6mm、生地巻きで、硬い端が表に出ないように。
  • ワンピース/シャツ:0~4mm、薄型または省略。子供服は通常硬いパッドを使いません。
  • 形状:アーチ型は丸肩、直線型はスクエア、斜め型はなで肩の補正に。身体の肩型とデザイン意図に合わせます。

4. 胸芯・衿芯などの関連構造部材

肩パッドは単独では機能しません。ジャケットやスーツは通常、以下の部材も必要とし、これらが共にシルエットの寿命を決めます。

  • 胸芯(馬尾芯地)——前身頃とラペルを支え、シルエット寿命の核になります。
  • 衿芯(カラーフェルト)——衿台に使い、衿が立ちつつ首に当たらないようにします。
  • 袖山テープ(スリーブヘッド)——袖山を安定させ、しわや肩の落ち込みを防ぎます。
  • テープ(伸び止め)と肩テープ——肩線と衿ぐりの伸びを抑え、着用で形が崩れるのを防ぎます。

5. 縫製と洗濯の要点

  • しっかり固定する:肩パッドは前肩の縫い目と衿ぐりに固定します。1~2針では洗濯後にずれます。
  • 端の処理:露出する端は生地巻きかバインディングで処理し、硬い端が肌を擦ったり表に響いたりしないように。
  • 洗濯区分を合わせる:洗えるニット巻きパッドとドライ専用のウールフェルトパッドは併用できません。洗濯表示は厳しい方に合わせます。
  • 反発試験:押した後、厚みの90%以上に戻ることが目安です。戻らない場合は低密度わたや再生材の可能性があります。

6. 発注時の検収基準

  • 厚み公差:通常±1mm、薄型±0.5mm、同一ロット内で均一であること。
  • 密度と目付:フォームは密度(kg/m³)、ニードルパンチフェルトは目付(g/m²)で検収し、口頭の説明は不可。
  • 形状と対称性:左右一対で輪郭が一致し、端にギザギザや接着はがれがないこと。
  • においと環境対応:刺激臭がないこと。輸出注文は遊離ホルムアルデヒドとアゾ染料の試験報告書が必要で、子供服は必須です。
  • 梱包と輸送:平らに詰め、圧縮を防いで輸送中の型崩れを回避します。厚み、サイズ、左右を表示します。
💡 ヒント:肩パッドはサンプル帳だけで判断せず、必ず試着の段階で確認してください。同じパッドでも表地の厚みが違えば見え方は大きく変わり、薄い生地ほど端が響きます。

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