シャツとブラウスは、副資材の細部が最も問われる品種のひとつです。生地が平滑でラインがきれいなため、衿ラベルの厚み、タグ止めの重さ、包装台紙の硬さが、開梱した瞬間の印象に直結します。さらに洗濯頻度が高く、形態安定加工(ノーアイロン)を施すことも多く、複数のサイズ体系の市場へ輸出されるため、カジュアル品より細かな仕様が求められます。
本記事は、衿ラベルとサイズラベル、洗濯表示ラベル、タグとタグ止め、包装の4部構成で解説し、最後にそのまま見積りに使える仕様確認表と5ステップのサンプル検収方法を掲載します。ブランドと工場がシャツの副資材を一度で確定できるようにするのが目的です。
1. シャツが副資材に求める四つの要件
- 平滑さ:衿元と前立ては平滑な面で、わずかな膨らみやカールも目立ちます。ラベルの厚みが外観評価を左右します
- 洗濯と摩耗への強さ:シャツは洗濯機での洗濯が多く着用頻度も高いため、衿ラベルと洗濯表示ラベルは摩擦と洗濯に耐える必要があります
- サイズ体系を載せる:シャツは衿囲サイズ(39、15.5 など)を使うことが多く、サイズラベルの情報欄が一般的な衣料より狭いため、事前の割り付け設計が必要です
- 軽さ:シャツ自体が軽いため、重いタグ止めやタグは衿ぐりの糸を引っ張り、輸送中に生地へ圧痕を残します
2. 衿ラベルとサイズラベル:位置・寸法・衿囲の表記
織物シャツのメインラベルは薄手サテンの織りラベルが一般的で、無感の熱転写ラベルも選べます。高級品や淡色の薄手生地では、透けと圧迫を避けるため無感タイプを推奨します。サイズはブランド名と同じラベルに織り込む方法と、衿台の片側に別ラベルで縫い付ける方法があります。前者は工数が少ない代わりにサイズ欄を事前に確定する必要があり、後者はサイズ変更に柔軟で在庫負担も小さくなります。
- 標準寸法:メインラベルは幅20–30mm、高さ15–25mmが目安です。文字高は1.2mm以上を推奨し、それ以下だと織りの線がつぶれます
- 縫い付け位置:後衿の中央縫い目から5–8mm下、衿台のステッチを避けます。サイズラベルは衿台の片側に付け、着用時に後ろ首に当たらないようにします
- 衿囲の表記:欧米向けは衿囲(cm またはインチ)と一般サイズを併記することが多く、洗濯表示ラベル・タグ・EC ページの三箇所を必ず一致させます
3. 洗濯表示ラベル:洗濯機・形態安定・濃色の三点
シャツの洗濯表示ラベルはナイロンやポリエステルの織テープが中心で、洗濯と摩擦に強く文字も明瞭です。紙やコーティングの複合ラベルは安価ですが、洗濯機での洗濯を重ねると毛羽立ち、文字が薄くなります。形態安定加工や防しわ樹脂加工を施す場合、洗濯表示は加工内容と整合させる必要があります。そうでないと、表示どおりに扱ってもしわが出てクレームになります。
- 濃色と淡色で地色を分ける:濃色シャツは濃地に淡字、淡色は白地に濃字が見栄えします。地色は生地に馴染ませ、透けを避けます
- 記号と文字の併用:ISO 3758 記号を基礎に現地語の一文を添えます。記号は市場をまたいで通用し、文字は市場別にまとめます
- 縫い付け方:シャツの洗濯表示ラベルはメインラベルと共に脇縫いや衿台の内側に縫うことが多く、構造線を縫い込まないようにします。縫い込むと角がめくれます
4. タグとタグ止め:薄く、圧痕を残さない
シャツのタグは小さめで、45×85mm や 50×90mm が一般的です。用紙は 300–400g のコート紙や特殊紙が中心で、質感を求める場合はソフトタッチラミネートや部分 UV を追加します。タグ止めは綿紐や細いループがシャツに向き、プラスチック止めは細番手を選びます。重さと厚みを抑えれば衿元が変形せず、輸送中も生地に圧痕が残りにくくなります。
- 情報レイアウト:表はブランドとライン、裏は組成・原産地・バーコード・サイズ・価格。価格ラベルを貼る余白も残します
- 二枚使い:メインはブランドの世界観、二枚目は素材と加工(形態安定・イージーケア)を伝える構成が、情報を詰め込んだ一枚より読みやすくなります
- 穴と止め具の組み合わせ:穴径は3–4mmが目安。ハトメと綿紐、細ループと細いプラスチック止めがすっきり見えます。重い金属は避けます
5. 包装:台紙・衿芯・畳み方が開梱時の印象を決める
シャツの包装は副資材の中で最も軽視されやすい一方、リピート購入やギフト用途に最も影響します。輸出輸送に耐えつつ、手元に届いたときに衿元がきちんとし、折り目が整っていることが求められます。
- 台紙:通常は 350–450g の白板紙。畳み方とタグ位置に合わせた寸法にし、陳列効果が必要なら抜き加工や窓開けを行います。柔らかすぎる板紙は避けます
- 衿芯と畳み方:プラスチックまたは紙の衿芯を同梱し、衿型を保ちます。三つ折りは透明袋での小売向け、五つ折りはよりコンパクトで EC やコンテナ輸送に向きます
- しわと湿気の対策:真空圧縮しすぎると取れない折りじわが付くため避け、箱内に防湿対策を入れます。淡色シャツは濃色の袋や印刷面に直接触れさせないようにします
6. 仕様確認表(見積りメールにそのまま使える)
| 項目 | 一般的な仕様 | 確認すべき点 |
|---|---|---|
| 衿ラベル | 薄手サテン織りまたは無感熱転写、幅20–30mm | 色、文字高さ、カット端か織り耳か、縫い付け位置 |
| サイズラベル | メインラベルに織り込む、または衿台の片側に別付け | サイズ体系(衿囲か一般サイズ)とサイズ変更の柔軟性 |
| 洗濯表示ラベル | ナイロン/ポリエステル織テープ、白地または黒地、ISO 3758 記号入り | 対象市場の言語、組成と加工の整合 |
| タグとタグ止め | 45×85mm または 50×90mm、300–400g 用紙、綿紐または細プラスチック止め | 穴位置、情報レイアウト、価格ラベルの要否 |
| 包装 | 350–450g 白板紙の台紙、衿芯付き、透明袋または紙箱 | 畳み方、袋の形状と厚み、防湿の要否 |
7. サンプル検収の5ステップ
- 実縫い:実際の生地に縫い付けて厚み、硬さ、透けを確認します。平置きサンプルだけでは判断できません
- 洗濯前後の比較:洗濯表示どおりに一度洗濯と乾燥を行い、色差・カール・文字の鮮明さを比べます
- 製品への装着:タグ、止め具、台紙、製品を一度組み上げ、止め具が衿を傷めないか、台紙が衿型に当たらないかを確認します
- 輸送の模擬:外箱に詰めて短時間の積み重ねや落下を行い、タグが折れず衿型が保たれるか確認します
- 承認サンプルの保管:署名して承認サンプルを保管し、量産検収と再発注の基準とします
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