ハンガー袋(掛け袋・スーツカバーとも呼ばれます)が平袋と大きく違うのは、商品を入れたままハンガーレールに掛けて、衣料品全体の重さを袋だけで支える点です。さらに店頭ではそのまま展示包装として使われます。穴の位置や厚みを誤ると、吊るしているうちに袋の口が裂け、商品が落ちて、返品と追加発注につながります。
本ガイドは、ハンガー包装と平積み包装の使い分け、4つの代表的な袋型、寸法の逆算、フック穴と耐荷重、素材・厚み・防曇、印刷と輸出表示、サンプル検収の7項目で構成し、最後にそのまま見積り依頼メールへ貼れる仕様リストを示します。
1. ハンガー袋か平袋か:掛け包装が必要な場面
- 店頭でそのまま陳列:ハンガー陳列の商品は袋がそのまま展示包装になり、店頭での詰め替え工数を省けます
- シワが嫌われる高単価アウター:スーツ・コート・ダウンは掛けたまま輸送すると折りジワや圧痕が大幅に減ります
- 混載コンテナと航空便:ハンガー輸送は専用ハンガーコンテナや段ボール内のレールに掛けられますが、平積みより容積を取るため運賃差を先に試算します
- 掛け包装が無駄な品目:Tシャツ・インナー・靴下・タオルは平積みのほうが省スペースで運賃も安く、無理にハンガー袋にするとコストだけ上がります
2. 代表的なハンガー袋4タイプ
| 袋のタイプ | 主な用途 | 利点 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 穴あき透明ハンガー袋(封なし) | トップス・ワンピースの店頭納品 | 最も低コストで商品が見える | 防塵性は普通。長距離輸送は外袋を追加 |
| 粘着テープ付きハンガー袋 | EC出荷・単品掛け | 封じて防塵でき、印刷も可能 | 粘着部は圧力や湿気で効きにくくなるため位置に注意 |
| ファスナー付きスーツカバー | スーツ・コート・礼服 | 開閉自由で保護性が最も高く、繰り返し使える | 最も高コスト。ファスナーと袋の接合部が弱点 |
| 不織布ダストバッグ | 別注・ギフト・長期保管 | 通気性があり中身が見えず、全面印刷も可能 | 中身が見えないため、確認が必要なら透明窓を追加 |
3. 寸法の決め方:商品寸法から袋幅・袋丈を逆算
- 袋幅:肩幅(または最も広い胸囲)+3〜5cm。袖の厚みと自然なドレープ分を確保します
- 袋丈:着丈+8〜12cm。スーツはハンガーフック分も加え、裾が袋底に届かないようにします
- マチ(ガセット):厚手コートやダウンはマチ付きの袋型を選び、袋が突っ張った膨らみにならないようにします
- 穴の位置:袋の上部中央、上端から2〜4cm。同じレールに複数掛ける場合は高さを変えてハンガー同士が干渉しないようにします
4. フック穴と耐荷重:破れの多くはここで起きる
- 穴の形式:丸穴、ハトメ(金属・樹脂リング)、雫型、ユーロスロット。ハトメが最も耐荷重に優れますがコスト増になります
- 補強:厚手袋や重量物(コート・ダウン)は穴部に補強シートや溶着フィルムを追加し、長期の吊り下げで穴から裂けないようにします
- ハンガーとの適合:まず客先が使うフックの径と形状(丸・平)を確認。穴が小さいと掛からず、大きいと抜けます
- 穴あけ位置:シール部の補強域内に置き、シール線に重ねないこと。重なると力がかかった瞬間に裂けます
5. 素材・厚み・防曇
- 素材:LDPEは柔らかく裂けにくいためハンガー向き。HDPEは腰がある反面もろく、長期吊り下げで割れます。CPEは透明性と強度のバランスが良く、中身を見せる袋に適します
- 厚み:単品ハンガー袋は0.025〜0.05mm、スーツカバーは0.05〜0.08mmが目安。商品重量と袋型で変わるため、迷ったら同種のサンプルで吊り下げ試験をします
- 防曇フィルム:コールドチェーンや寒暖差の大きい輸送では袋の内側が曇るため、防曇剤入りのフィルムが必要です。でないと中身が見えません
- 帯電防止とリサイクル:帯電しやすいフィルムはホコリを吸い、淡色の商品では目立ちます。EU向けは現地の包装規則に沿って素材とリサイクル記号を表示します
6. 印刷・表示・輸出要件
- 印刷位置:通常は袋の下部か側面。前面は商品を隠さないよう余白を残します。ベタ印刷は透明性を大きく落とします
- 必須表示:素材とリサイクル記号、大型袋の窒息警告、バーコードやサイズ表示、そして仕向地が求める原産地・輸入者情報です
- 空気抜き:封じる袋型はベント穴を設け、輸送中の気圧変化による膨らみや破袋を防ぎます。穴は印刷面を避けて配置します
- 環境対応:再生原料比率を上げる、または単一素材のリサイクル可能フィルムへ変更します。EU向け客先はほぼ必ず確認します
💡 ヒント:ハンガー袋の検収で最も重要なのは「24時間吊るす」試験です。実際の商品を入れた状態で丸一日掛けてもらい、穴まわり・シール・袋本体の変形や破れを確認します。数値が良くても吊り下げに耐えなければ意味がありません。
7. サンプルと検収チェックリスト
- 袋型と穴位置を確定し、客先が実際に使うハンガーフックの仕様を伝えます
- 肩幅・着丈・単品重量を渡し、袋幅と袋丈を逆算してもらいます
- 吊り下げ試験:実重量で24時間掛け、穴まわりとシール線を重点確認します
- 印刷内容・位置・色、そしてリサイクル記号と警告文が揃っているか確認します
- 出荷方法(ハンガーコンテナ・段ボール内レール・平積み)と納期を先に確定し、入庫後に気付く事態を避けます
関連記事
ハンガー袋・スーツカバー・店頭用掛け包装の制作をご検討ですか。商品寸法・単品重量・予定数量をお送りいただければ、3〜7日で実物サンプルをお送りします。
ハンガー袋のお見積りを依頼 →