靴やバッグの副資材は小さなラベルに見えますが、衣料より条件は厳しくなります。製品は繰り返し曲げられ、摩擦され、汗や雨に触れるため、ラベルが追随しなければなりません。本ガイドは、法令が求める素材・原産地表示、ブランド識別のためのタン部の織りラベルやレザーパッチ、小売段階のタグや靴箱ラベルという3層に分けて解説し、素材と加工の対照表、サンプル検収チェックリストを添えます。

1. 靴とバッグが副資材に求める3つの層

  • 法規層:素材・原産地・サイズなど義務または顧客が必須とする表示。位置と使用言語に決まりがあり、誤ると販売停止や通関保留につながります
  • ブランド層:タンラベル、中敷きマーク、レザーパッチ、メタルタグ。最初の手触りと格の印象を決めます
  • 小売層:タグ、靴箱ラベル、防塵袋、バーコード、値札。店頭陳列とEC入庫の効率に直結します

2. EUの靴素材表示:4つの部位をどう表示するか

EUで販売する靴は指令94/11/ECに基づき、アッパー、ライニングと中敷き、アウトソールの素材情報を表示する必要があります(ライニングと中敷きを一欄にまとめることを認める市場もあります)。表示は文言でも指令付属のピクトグラムでもよく、販売国の公用語でなければなりません。もっとも安価な方法は、ピクトグラムと多言語テキストを組み合わせたラベルを靴箱に貼る方法です。タンの織りラベルを変更するより低コストで、市場の変更時にも貼り替えるだけで済みます。

部位 一般的な表示内容 実務のポイント
アッパー 皮革・合成皮革・織物など 実物と一致させること。混在時は主たる素材を表示
ライニングと中敷き 同様。一部市場では一欄に統合可 中敷きにサイズを併記する場合は靴箱表示と一致させる
アウトソール 皮革・ゴム・プラスチック・織物など 複合ソールは接地面积が最大の素材を表示
原産地 Made in … / 製造国 多くの仕向国で別途要求され、通常はソールか靴箱に表示
注意:94/11/ECが扱うのは素材表示のみで、原産地表示・バーコード・顧客独自のサイズ要件を代替するものではありません。実務では「法規資材」と「ブランド資材」を分けておくと、規制変更時はラベルとタグだけ差し替え、版を起こした織りラベルはそのまま使えます。

3. 靴の主要副資材:タンラベルから靴箱ラベルまで

  • タンラベル:多くは幅20〜40mmの細幅織りラベルで、サテンまたは平織。端部は柔らかく、甲を圧迫しない位置に。幅は実際のタン幅に縫い代を加えて決めます
  • 中敷きマーク:熱転写やシルク印刷を中敷きに直接施します。汗と摩擦にさらされるため、量産前に摩擦堅牢度と耐汗試験を行います
  • サイズ・サイドラベル:小型の織りラベルまたは印刷ラベル。タグや靴箱表示と一致させ、複数のサイズ表記を併記する際に誤りが起きやすい箇所です
  • 靴箱ラベル:バーコード、サイズ、素材、原産地を載せる粘着ラベル。変更コストが最も低く、規制改定や顧客の版変更を反映する第一候補です
  • タグ:ブランドストーリー、素材説明、真贋対策。吊りひもは試着の妨げにならない位置に、タンに跡が残らないように

4. バッグと革製品:パッチ、織りラベル、金具

ハンドバッグやバッグには、靴のようなEU全域の素材表示指令はありません。素材表示は顧客・ECプラットフォーム・仕向国の要件に従うのが通常です。ただし革・コーティング・金属部品は化学物質や皮膚接触の規制対象で、ここがバッグ副資材の実質的な適合ポイントになります。

  • レザーパッチ:本革・再生革・PU。箔押し、型押し、シルク印刷が可能。厚みと縫製方法を先に決めます。厚すぎると縫い跡が表面に浮きます
  • 織りラベル:多くは内張りや脇縫いに取り付け、裏地の収縮率と合わせないと洗濯後にしわになります
  • メタルタグと金具:バックル、リング、ファスナー引き手など皮膚に長時間触れる部品はニッケル溶出量の規制対象。EU向けはREACHの考え方で確認します
  • タグと防塵袋:バッグ用タグは衣料より大きく硬い傾向があり、穴位置・ひもの強度・輸送時の折れに注意。防塵袋は不織布やリサイクル素材が適します
  • 米国向けバッグ:カリフォルニア州提案65の鉛・フタル酸エステルに関する皮革・コーティング・金属部品の規制に注意し、素材宣言を早めに取得します

5. 靴とバッグ副資材の素材・加工対照表

部位 推奨加工 耐久のポイント
タン(甲側) 平織またはサテンの織りラベル、柔らかい端処理 折り返しまたは熱カットで端を処理し、甲への摩擦を防ぐ
中敷き(高摩擦) 熱転写またはシルク印刷+耐摩耗コート 摩擦・汗に対する堅牢度を先に試験し、洗靴後も剥がれないこと
サイド・内側マーク 細幅の織りラベルまたは印刷ラベル アッパーの収縮率と合わせ、接着部の屈曲で引っ張られないように
レザーパッチ 箔押し・型押し・シルク印刷 屈曲試験を実施し、箔層のひび割れ・粉落ちがないこと
靴箱・バッグのラベル 粘着ラベル:コート紙・合成紙・透明PET 保管・輸送の湿度に合わせて基材と粘着剤を選定。海上輸送は合成紙を優先

6. サンプル検収チェックリスト

  • 素材表示が実物と一致し、必要な部位が揃っているか
  • 使用言語が販売国の公用語か、多言語併記が必要か
  • 織りラベルの端と厚み、折ったときに当たりがないか
  • 中敷きマークの摩擦・汗の結果はサンプル保管とともに記録されているか
  • ラベルの粘着性・耐湿性・返品時に剥がせるか
  • 吊りひもの強度と位置、サイズ・バーコード・靴箱表示の整合

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