欧州ブランドの問い合わせに「この織りラベルは再生ポリエステルで作れますか」と一言添えられることが増えました。単純に見えますが、納品では3点に集約されます。再生比率はいくつか、性能はどこが違うか、そして再生であることを何で証明するか。最も躓くのが3点目で、取引証明書(TC)のない再生原料はブランド監査では存在しないのと同じ扱いになります。

本稿では4点を整理します。rPET とは何か、どの副資材が本当に向くか、GRS と取引証明書のトレーサビリティはどう流れるか、購買時に確認すべき5項目。加えて、一度踏むと取り返しのつかないグリーン表示の一線についても触れます。

1. rPET とは何か、バージン原料との違い

rPET は回収 PET(多くは飲料ボトル)を洗浄・破砕・ペレット化、または解重合して再び紡糸したポリエステルです。経路は2つ。メカニカルリサイクルは溶融再ペレット化で低コストですが、分子鎖が短くなり色の選択肢も狭まります。ケミカルリサイクルは PET をモノマーまで戻して再重合し、バージンに近い品質が得られますが、コストと生産能力が壁になります。含有率は 30・50・100% が一般的で、実際の数値をラベルと BOM の両方に記載する必要があります。

  • 色:メカニカル再生原料はロット間の色相変動がバージンより大きく、淡色や晒しは最も難しく、濃色・黒はむしろ安定します
  • 強度:分子量の低下により引張強度は概ね5〜15%落ちます。細番手の縫い糸が最初に影響を受け、太番手のウェビングではほとんど分かりません
  • 由来:ボトルフレーク、ポリエステル廃糸、回収衣料では回収体制も認証経路も異なります。ボトルから布へは品質が上という意味ではなく、原料の由来が違うというだけです

2. どの副資材が本当に rPET に向くか

副資材 適合度 注意点
織りラベルの糸 非常に良い 色域が狭く、淡色や高白色は難しい。織機の糸切れを抑えるため撚りを上げます
縫い糸 一部向き 高速縫製や厚物では小ロットで試し縫いし、糸切れ率を確認します。40番より細い番手は慎重に
ウェビング・バイアステープ 非常に良い やや硬い風合い、熱カット端の安定性はバージン並み。淡色は色差を先に確認します
包装ポリ袋 非常に良い 透明性がやや低下しヘイズが上がるため、訴求型包装は実サンプルで確認。シール温度は再設定が必要です
タグ紐・綿紐 対象外 材質がポリエステルではなく別の回収体系です。綿紐は再生綿やオーガニックコットンの経路を検討します

3. トレーサビリティ:GRS と取引証明書の流れ

GRS(グローバル・リサイクルド・スタンダード)は衣料副資材で最も求められる認証で、再生含有率とサプライチェーン管理の2つを扱います。実務では取引証明書(TC)になります。認証保有者が実際の出荷数量に対して発行し、製品、再生比率、売買当事者、対応する請求書を記載します。数量は購入した認証原料を超えられません。どこか一環でも証明がなければ、その時点で荷は止まります。

  • TC は注文・ロット単位:常時有効な証明書ではなく、出荷ごとに固有番号と数量を持つ1枚が発行されます
  • 含有率は正確に:BOM が 50% なら TC も 50% でなければなりません。「およそ半分」では監査で即差し戻しです
  • ロゴ使用は承認制:GRS マークを勝手にタグや包装に付けられません。認証機関の承認が必要で、誤用は権利侵害と虚偽表示の二重リスクになります
  • GRS 以外を求められることも:RCS は要件が軽く、ISCC PLUS はマスバランス方式、bluesign は薬品管理を見ます。どの制度を認めるか先に確認してから見積ります

4. 購買時に確認する5項目

  1. 認証範囲:証明書の製品カテゴリが織りラベルの糸や縫い糸を本当に含むか。生地だけの証も多いです
  2. TC と注文の整合:数量・含有率・ロット番号が今回の出荷と一対一で対応するか
  3. ロット色差:再生原料は変動が大きいため、同じ色番を2ロットに分ける場合は各ロットの承認見本を残します
  4. 物性値:引張・摩耗・アイロン耐熱をバージン版と並べて比較試験します。口頭保証だけでは不十分です
  5. 見積の前提:含有率と番手で価格が決まり、30% と 100% は同額ではありません。単価だけの比較は判断を誤らせます

5. 素材の話を違法な表示にしない

EU ではグリーン表示の審査が厳しくなっています。eco-friendly、sustainable、green といった形容詞だけでは高リスク表現です。有効なのは具体的で検証可能、範囲が明確な書き方です。「織りラベルは再生ポリエステル100%、GRS 認証、取引証明書番号は開示可能」とタグに書くほうが、緑の葉のアイコンよりはるかに強く、追加の質問にも耐えます。

💡 ヒント:取引証明書が出せず自己宣言しかない場合は、通常のポリエステルとして扱い、BOM の再生含有率は 0 と記載します。証明書が揃ってから直すほうが、ブランド監査の場で説明するよりはるかに楽です。

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再生ポリエステルの織りラベル、縫い糸、包装袋をご検討ですか。目標含有率、認証要件、予定数量をお送りください。糸の供給とロット単位の TC 発行可否を先に確認してからご提案します。試作3〜7日、量産10〜25日です。

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