レザー・合皮の衣料(ジャケット、コート、スカート、パンツ)が副資材に求める条件は、織物とはまったく異なります。多くはドライクリーニング前提で、針穴は修復できず、濃色の皮革面は金具や吊りひもで傷つきやすく、色移りもしやすい。本ガイドでは素材要件、レザーパッチとメインラベル、洗濯表示ラベル、タグと金具、包装と検収の五部で整理します。
まず三つの原則を押さえます。ドライクリーニングに耐えること、皮革面に針穴を残さないこと、色落ちや擦り傷を起こさないこと。この三つを満たせば、レザー用副資材で大きな問題はほぼ起きません。
1. レザー製品が副資材に求める4つの要件
- ドライ耐性:パークロロエチレンや炭化水素系溶剤は一般的なコーティングやインクを侵し、ラミネートやシールタイプのラベルはドライ後に浮きや剥がれが起こります。選定前にドライ耐性を確認します
- 皮革面に針穴を残さない:本革の穴は元に戻りません。ラベルの位置は一発で決める必要があり、表側に縫うより着脱式や熱圧着を優先します
- 皮革との相性:金属部品がタンニンやなめし剤と長く接触すると変色や腐食が起きます。また PVC を皮革に長時間当てると可塑剤が移行し、表面がべたつきます
- 軽量で擦らない:重いタグや硬い金具は皮革面に消えない跡を残します。ソフトレザーやエナメルでは特に顕著です
2. レザーパッチとメインラベル:4つの選択肢
| 方式 | 質感と外観 | ドライ耐性 | 適する用途 |
|---|---|---|---|
| 本革パッチ(型押し・箔押し) | 最も高級感があり、自然なシボで経年変化も楽しめる | 良好だが、箔は耐溶剤タイプを選定 | 中高級ジャケット、コート、バッグ |
| 再生皮革・マイクロファイバーパッチ | 表面が均一で色管理がしやすく、コストも低い | 普通。安価な PU はドライ後にひび割れる | ファストファッション、EC、プロモ品 |
| サテン織りラベル(ソフト仕様) | 薄く、情報量が多く、多言語にも対応 | 良好。レザー用ライニングラベルで最も安定 | レザースカート、パンツ、体に沿うデザイン |
| 低温熱圧着の無感ラベル(TPU) | ラベル感がなく、針穴も残らない | 接着層次第。必ず実測が必要 | 薄手レザー、伸縮性やスポーツ系レザー |
素材よりも位置で失敗する例が多いです。メインラベルは裏地や後ろ衿の当て布に縫い付け、皮革面に直接縫わないでください。デザイン上どうしても皮革に縫う場合は、同じロットの端切れで試し縫いし、針穴とシワが許容できるか確認してから量産します。
3. 洗濯表示ラベル:ドライ記号・素材・縫い位置
レザー衣料はドライクリーニング前提のため、洗濯記号は通常 P または F(ISO 3758 準拠)です。素材はテープ織りラベルやサテン織りラベルを優先します。コーティング印刷ラベルは数回のドライで限界が来やすく、紙ラベルは洗わない品や後付け専用です。
- 記号と文言:ドライ記号に専門ケアの説明を添えます。EU 向けは現地語要件を確認し、レザーには水洗い可の表示を避けます
- 縫い位置:脇縫いや裏地の裾に付け、皮革面は避けます。両側を折って縫い、3〜5mm の余白を取ってほつれを防ぎます
- 色移り試験:濃色裏地に淡色ラベルを合わせる場合、ドライ後の色移りと摩擦試験を先に行います
- サイズと原産地:サイズは脇縫いの小さいラベルに分け、原産地表示は仕向地ごとに確認します。洗濯説明と同じ面に詰め込まないでください
4. タグと金具:傷と色移りを防ぐ
- 吊りひも:綿やポリエステルのひもは金属チェーンより安全です。濃色レザーには同系の濃色ひもを合わせ、淡色レザーでは色落ちを先に確認します
- 留め具:樹脂製のタグピンを優先します。肌に触れる金属部品は仕向地のニッケル溶出試験が必要で、なめし剤と反応しないことも確認します
- 取り付け位置:ファスナーの引き手や既存の金具、専用ループに通します。革面にピンで留めるのは厳禁で、穴は元に戻りません
- 厚みと加工:レザーは単価が高いため、350〜400g にマットラミネートや箔押しが適します。それ以上厚くしても効果は限定的で、肩に折り跡が付きやすくなります
5. 包装:防圧・防湿・色移り対策
- 防圧:ハンガー掛けか巻きを優先し、長期の折り畳みで折り目が固定されないようにします。折り畳む場合は折り線に無酸紙を挟みます
- 防湿:本革は湿気に弱いため、長期の海上輸送では乾燥剤を入れます。内袋は PVC ではなく PE を使い、可塑剤の移行を防ぎます
- 色移り防止:濃色レザーは淡色の裏地や包装紙と分けて包装します。ひもとパッチは別々に収め、摩擦による移染を抑えます
- 保管環境:高温多湿を避けます。皮革は湿気でカビが生えやすく、カビ跡はほぼ元に戻りません。保管環境は包装材以上に重要です
💡 ヒント:レザーで最も高くつく失敗は「縫ってから試す」ことです。発注前に同じロットの端切れをお送りください。その本革で試し縫い・ドライ・色移りを確認し、ラベル素材・縫い位置・ひも仕様を確定します。1日で全数手直しのリスクを回避できます。
6. 見積りチェックリスト:これを送れば十分
| 項目 | 記入内容の推奨例 |
|---|---|
| 品種と皮革 | 本革か再生皮革、厚み、色、型押しの有無、コーティングの有無 |
| パッチとメインラベル | サイズ、厚み、加工(型押し/箔押し/シルク)、言語、位置 |
| 洗濯表示ラベル | 素材、言語の組み合わせ、ドライ記号、組成、縫い位置 |
| タグと吊りひも | サイズと目付、表面加工、ひもの素材と色、留め具の種類 |
| 包装と数量 | ハンガーか折り畳み、袋の種類と厚み、外箱入数、初回数量と納期 |
関連記事
レザー・合皮シリーズを開発中ですか。皮革見本、ケア方法、タグデザインをお送りください。実革で試し縫いとドライ試験を行い、実物サンプルは 3〜7 日で発送します。
レザー副資材の見積りを依頼 →