タグの小口加工(小口塗り・小口金)は、断裁されたタグの四辺に金・銀・黒・ブランド色の帯を付ける加工です。カード面は平面的ですが、小口に色があると厚み、風合い、格が上がるため、高級アパレル、ギフト仕様、限定品で多く採用されています。

一方で小口加工はタグ工程の中でも手直し率が高い工程です。小口塗りのひび割れ、色ムラ、重ねたときの密着、折り曲げ後の粉吹きは、ほとんどが事前に条件を詰めていないことが原因です。本記事では加工方式、向く用途、データの渡し方、品質の確認方法、コストの考え方の5部構成で解説し、最後に見積依頼メールにそのまま貼れる確認リストを付けます。

1. 小口加工の3つの主な方式

同じ「一周の色」でも、方式によって見た目、歩留まり、価格が変わります。角形や丸形など規則的な形状は最も適していますが、変形(型抜き・異形穴)はほぼ専用治具が必要で、費用と納期が変わります。

方式見た目主なリスク
スクリーン小口塗り色が厚く隠蔽力が強い。金銀色で最も一般的治具精度に依存し、角でにじみやムラが出やすい
スプレー小口塗りなじみが良く、厚手カードや変形形状に適するロット間の色差、乾燥時間、臭気
箔押し小口鏡面メタル感が最も強く、格が最も高い紙の小口の毛羽立ちが目立ち、表面が傷付きやすい

2. 小口加工が効果を発揮するケース

  • 高単価・ギフト仕様:金銀の小口は、面にもう一段箔を足すよりも質感の向上が見えやすい
  • シリーズの区分:同じカードで小口色だけ変えれば、型や版を作り直さずに季節や年を区別できる
  • 厚手・貼り合わせカード:600g 以上や貼り合わせのタグは断裁面に白芯・灰芯が出るため、小口塗りで色を揃えられます
  • 向かないケース:長期在庫(酸化・密着)、乳幼児向け(塗料の安全性)、超低コストのクイック商品

3. データと条件の正しい渡し方

  • 小口幅:通常 1–3mm が最適。5mm を超えると小口ではなく枠に見えます
  • 余白:図柄は断裁線から最低 1.5–2mm 離し、色が文字や図柄に触れないようにします
  • 型線は別レイヤー:変形形状は内側にオフセットした型線と安全域が必要で、これがないと歩留まりを推定できません
  • 見当公差:±0.5mm か ±1mm かを明記。厚手カードと変形は ±1mm への緩和を推奨
  • 色の基準:Pantone 番号か実物見本を支給してください。メタル色は近似までで、紙への Pantone と完全一致はしません

4. 受入時にやる4つの検査

  1. 折り曲げ試験:任意の辺を180°折り返し、ひび割れ・浮き・粉吹きを確認します
  2. 摩擦試験:白い綿布やアルコール綿で20回拭き、色落ちやにじみを確認します
  3. 重ね密着:24時間積み重ねてから分離し、密着や跡残りを確認します
  4. 色差確認:ロットから5枚抜き取り、標準光源で承認見本と比較します

5. コスト、最小ロット、納期

小口加工のコスト構造は単純です。独立した1工程+専用治具または版です。治具と版は一時費用で、数量が増えるほど薄まります。単価は小口の数で決まり、メタル色は素色より高く、四辺すべては長辺2辺のみより明らかに高くなります。

  • 一時費用:変形治具と版は別途計上され、再注文で再利用できます。保管方法と帰属を必ず確認します
  • 単価の考え方:小口数+色数で決まり、四辺すべてが最も一般的で高価、両端のみは折衷案です
  • 最小ロットと歩留まり:小口加工は印刷のみより歩留まりが低いため、初回は2,000枚以上とし、3–5%の予備を見込みます
  • 納期:通常色・メタル色のサンプルは3–7日。変形は治具製作が必要で、量産はさらに10–20日が目安です
💡 ヒント:小口加工は必ず実物で承認してください。画面やデジタル校正では、塗りの厚み、メタルの粒子感、折り曲げ後のひび割れリスクは分かりません。紙見本・色見本・折り曲げ試験を同時に確認すれば一度で決まります。

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