副資材の納期は生産だけを見れば10〜25日ですが、実際の変動要因は春節(旧正月)です。工場は休業の2〜4週間前から生産計画が埋まり、休業後も通常の生産能力に戻るまで2〜3週間かかります。さらに12月中下旬は海上・航空運賃が上がり、スペースも取りにくくなります。海外バイヤーが納期のずれに気づくのは決まって12月で、その時点では店頭投入日に間に合いません。本記事では春節前後の発注リズム、逆算スケジュール、4つのリスクと対策、見積り依頼にそのまま貼り付けられるチェックリストをまとめます。
本記事は、9〜11月に発注を決めるべき理由、休業の3つの段階、逆算スケジュール、4つのリスクと対策、休業前に備蓄すべき副資材、発注前チェックリストの順で解説します。
1. 春節の注文を9〜11月に決めておくべき理由
春節の影響は「数日余分に待つ」ことではありません。サプライチェーン全体が同じ時期に一斉に詰まります。秋のうちにリズムを決めておくべき理由は次の4点です。
- 生産計画が早く埋まる:休業の2〜4週間前は印刷・製織・製袋の各工程が同時に追い込みに入り、仕様確定済みで手付金入金済みの注文しか受けません。後からの割り込みはほぼ通りません。
- 運賃とスペースが同時に締まる:12月中下旬は海上・航空運賃が年間最高水準に達し、スペースは早い者勝ちです。休業後には滞留貨物が一斉に再出荷を待ちます。
- 確認のリードタイムは短縮できない:サンプル3〜7日、さらに社内承認と外国語ラベルの校正があり、実は生産そのものより時間を食います。
- 再開は段階的:休業後の1〜3週間は既存社員の復帰と新入社員の研修が中心となり、初期の生産能力は通常の5〜6割程度です。
2. 春節休業の3つの段階
春節を3つの段階に分けて考えると、どの注文を休業前に出荷すべきか、どれを休業後でよいかが明確になります。
| 段階 | 時期 | サプライヤー側の実状 | バイヤーへの影響 |
|---|---|---|---|
| 追い込み期 | 休業2〜4週間前 | 生産計画は満杯、残業続き。確定済み注文と既存客の割り込みのみ受け入れ | この時期の発注は休業前出荷にほぼ間に合いません |
| 休業期間 | 休業3〜10日前から休業後5〜10日まで | 工場は停止し、多くは当番のみ。一部のサプライヤーはメールをリモート対応 | サンプル、生産、出荷はすべて停止。連絡のみ継続 |
| 再開立ち上げ期 | 休業後1〜3週間 | 社員が順次復帰し、新人研修と設備の再調整を実施 | 納期は通常の約1.5倍で見積もる |
日付は旧暦に従い、2027年の春節は2月上旬です。具体的な休業日数と振替出勤は前年の11〜12月に国務院弁公庁が公表し、通常は7〜8日間です。ただし実際の休業期間は法定休日より長くなる傾向があり、早期停止・遅延再開も珍しくありません。法定カレンダーではなく工場カレンダーで計画してください。
3. 逆算スケジュール:必要な入荷日からさかのぼる
発注日から前向きに数えるのではなく、必要な入荷日から逆算します。下表のリードタイムは東莞から海外小売店頭投入を想定したもので、輸送方法により調整してください。
| マイルストーン | 推奨リードタイム |
|---|---|
| 必要な入荷日(基準) | 0(すべてこの日から逆算) |
| 出荷日 | 海上は25〜40日前、航空は5〜10日前に予約し輸送2〜5日 |
| 量産完了日 | 生産10〜25日(工法と数量による) |
| 生産開始日 | 休業後開始なら、さらに2〜3週間の立ち上げ余裕を確保 |
| サンプル承認 | サンプル3〜7日と社内承認3〜7日 |
| 発注と手付金 | サンプル承認後すぐに実行し、生産枠を確保 |
例:2027年3月1日の店頭投入を狙うなら、海上便は1月15日頃の出荷が必要で、量産は1月下旬に完了させる必要があります。つまり12月上旬の発注です。同じ注文を休業後の生産に回すと、入荷は通常4月にずれます。発売日を動かしたくないなら、休業前出荷が最も安全です。
4. 4つのリスクと対策
- 生産枠の取り合い:休業前2〜4週間が最も混雑します。早めに手付金を払って枠を確保し、休業前に必ず出荷すべき品目を優先と明示して、通常注文に押し出されないようにします。
- 運賃高騰とスペース不足:12月中下旬は運賃が上昇し、スペースは早い者勝ちです。早めに予約し、副資材は出来るだけ衣料品と同じ貨物にまとめて通関と運賃を1回に抑えます。
- 再開時期の不確実性:復帰率は年ごとに違い、人手不足の年は回復が遅れます。店頭投入に必須の品は休業前に出荷し、休業後の納期は予備とし、1.5倍の余裕を確保します。
- 天候と港湾:冬の強風や濃霧は船便の遅延とターミナル混雑を招きます。出荷計画に5〜7日の余裕を持たせ、重要局面は航空便で補います。
5. 休業前に備蓄すべき副資材
判断基準は2つだけです。版の安定性と、資金負担に耐えられるかどうかです。
- 3〜6か月分を先に確保するのに適する:洗濯表示ラベル、メインラベル、織りラベル、標準的な包装袋、吊りひもとタグ止め。版の変更が少なく嵩張らないため、早めの生産で値上げと混雑を避けられます。
- 大量備蓄に不向き:タグは価格・キャンペーン・季節情報を含み改版が頻繁です。用紙と加工枠を先に確保し、四半期ごとに分納するのが合理的です。
- 「年間数量を一括確定・分割納入」も交渉可:年間使用量を一度に決めて上架リズムに合わせて分納すれば、数量割の価格を確保しつつ自社倉庫に在庫を抱えずに済みます。
6. 発注前チェックリスト
- 必要な入荷日と最終出荷日、その承認者
- サンプルが承認済みか、ラベル文言(外国語含む)が確定しているか
- 数量と納入方法:一括か分割か
- 輸送方法と運賃の見込み:海上・航空・宅配便
- 優先順位:休業前出荷が必須の品目と、休業後でよい品目
- 代替案:資材不足や急な改版時の代替素材・色の取り決め
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